とてもデリケートなワインを美味しく飲むには、保存の仕方がとても重要になってきます。
栓を開けていないワインなら、特に気を遣わずに保管しておいても問題はないだろうなどと考えてはいけません。
ワインのベストな保存の方法を知らなければ、ワインを最大限楽しむことは難しいでしょう。
ワインは環境によって品質が大きく変わる
ワインの難しいところでもあり面白いところでもあるんですけど、ワインは環境に非常に左右されやすいお酒で、置かれている環境によって味や色や香りなどが大きく変わる飲み物なんです。
ベストな保存方法は、ずばりワインセラーの利用でしょう。
ワインセラーはその名の通りワインをしまっておくための設備ですから、これ以上に美味しさを保てる保存方法はありません。
ワインセラーというものの存在があること自体が、ワインの保存の仕方が重要であることを物語っていますよね。
しかし、ワインセラーの設備を自宅等に整えるのは簡単ではなく、お金もスペースも必要になります。
すぐに自宅にワインセラーや倉庫などの設備を構えることができなくても、ワインの特性等を知れば、その保管の仕方もわかってくるのではないでしょうか。
それと同時に、環境から受ける影響は大きいということを、まずは認識することが求められるでしょう。
直射日光を避け涼しい場所で保管
ワインの保存の仕方を事細かに考えると、その方法は非常に難しいものとなります。
ワインセラーなしでは完璧な状態を作ることは至難の業ですが、しかし、最低限やってはいけないこととやっておくべきことを押さえておくことで、ワインの劣化を防ぐ、あるいは遅らせることが可能です。
ワインは、直射日光を当ててはいけません。
且つ温度や湿度の変化にもとても弱いため、陽の光の当たらない涼しい場所で保管することをまずは心がけましょう。
その状態を維持するためには、季節や環境によって保管場所を変えるこまめな作業も必要になってきます。
夏場は冷蔵庫の野菜室が良い
日本の夏は非常に暑く、高温になりがち。
できれば13度前後、高くても15度くらいまでの場所に保管したいので、夏場に関しては冷蔵庫の中での保管がおすすめです。
冷蔵庫の中でも、野菜室が最もワインの保管に適しています。
冷蔵室では冷たくなりすぎてしまうためです。
野菜室は冷蔵室より多少温度は高めであるものの(それでも理想の温度よりは少々低いのですが)、夏場に外に放置して30度を超えてしまうよりはずっと質を保つことに貢献してくれます。
冬は暖房の当たらない場所へ
冬は冷蔵庫などの外に出しておいても構いませんが、エアコンやヒーターなどの暖房機器を使うようであれば、そうしたものの影響を受けない場所に保管しておきましょう。
あまり使わない部屋があるのであれば、その部屋の日光が当たらない場所に保管しておきたいですし、ヒーターを使う程度であれば、部屋の押入れなどでも温度の上昇を防ぐことができるかもしれません。
エアコンの暖房で部屋全体を暖めるのであれば、玄関などで保管することで、質を保ちやすくなります。
瓶には新聞紙を巻いて保管する
ワインを保管する時には、直射日光を避けなければならないと説明しました。
陽の光はできるだけ避けたいので、もしすぐに飲まないようであれば、ワインボトルに新聞紙を巻いて保管するといいでしょう。
これは当然ながら、光がワインに当たるのを防ぐためです。
赤ワインを持っている人は、ボトルをチェックしてみましょう。
緑色のものや、黒いカバーでボトル全体が覆われているものが多いことに気づくのではないでしょうか。
これは赤ワインに光をできるだけ当てないための工夫です。
緑色の瓶に入れられた赤ワインは非常に黒く見えるため、そのぶん太陽の光を通しにくくなり、劣化を防ぐことにつながっています。
このような工夫からも、ワインが光に対してとてもデリケートであることはわかるはず。
新聞紙で巻くことでさらに光を遮断し、また、温度変化もできるだけ緩やかにすることで、質を保ちやすくできるのです。
ただ、新聞紙は水分を吸いやすいので、こまめに交換する手間も求められます。